◇さらに17州が合法化検討 金田善裕 (ノンフィクション作家)
今年1月1日から始まった米コロラド州での嗜好(しこう)用の大麻(マリフアナ)の販売解禁は、全米で大きな話題となった。初日は、大麻を買うため厳寒 の雪の中、小売店の前には朝8時に100人を超す行列ができた。数日後には品切れの店も現れ、小売価格が高騰する事態を招いた。この熱気をとらえて、オバ マ大統領は大麻をタバコとあまり変わらず、アルコールより安全なものと発言、ニューヨーク州のクオモ知事は医療用大麻の解禁を示唆した。
2月20日から始まったコロラド州の大麻取扱業者の1月の売り上げ申告に基づくと、1月だけで嗜好用大麻の税収はおよそ2億円、医療用、その他大麻関連 ビジネスからの税収は3.7億円と見込まれる。同州は7月から始まる次期会計年度の大麻関連税収の見込みを当初の67億円から134億円へと大幅に上方修 正した。大麻解禁はまだ一部の都市での施行にとどまり、認可された販売店も今は30を下回っていることなどから、今後は税収が大幅に伸びると予想してい る。たばこの税収約166億円、アルコールの税収40億円(いずれも2012/13会計年度)と並ぶ第3の税収の誕生である。
大麻はビジネスとしても大きな成長市場として注目を集めている。コロラド州知事によると、州の大麻産業は次期会計年度には1000億円産業になるという。そのうち610億円が嗜好用大麻だ。……… (以下お読みになりたい方はご購読を)